注目のお祭り
10月19日・20日に行われる 埼玉県 川越まつり は、精巧な人形を乗せた絢爛豪華な山車が町中を曳行し、向かい合う数台の山車がお囃子と踊りで競演する「曳っかわせ」で盛り上る。とくに夜の曳っかわせは最高潮。
出雲地方では太鼓のことを鼕 (どう) という。10月20日に行われる 島根県 松江祭鼕行列 は揃いの法被姿の子ども達が直径1.2から1.8メートルの大きな鼕をのせた鼕山車屋台をひき、市中に勇壮な鼕の音を響かせる。
祭り行列
10月12日から17日に行われる 愛媛県 西条まつり の目玉は16日の「川入り」。河川敷に集合し、夕闇迫るなか神輿渡御を見送ろうと、80台余りのだんじりが土手に一列に並び提灯を灯す様は幻想的で壮観。
10月5日・6日に行われる 愛知県 津島市の 尾張津島秋まつり は、からくり人形をのせた豪華絢爛な山車が町を華やかに彩り、山車の前方を持ち上げて回転させる「車切」とからくりの奉納は見ごたえ抜群!
10月11日から13日の 山口県 萩・竹灯路物語 は萩城下町を中心に江戸情緒あふれる歴史の町並みをライトアップ。特産の竹で作られた竹灯籠が並び、ろうそくの灯りが、ほのかに趣ある夜の町並みを照らす。
灯籠・提灯まつり
秋田県
西馬音内盆踊りは、彦三頭巾と呼ばれる黒い頭巾で顔を隠しているのが異様ですが、これは祖霊の帰ってきた姿という伝承になり、また、端縫いと呼ばれる端切れを組み合わせた衣装は、祖母や母の着物の布地を綺麗に縫い合わせてあり、その衣装を身に着けることで祖先の霊とともに踊るという伝承をも残しているのは、いかにも盆踊りの性格を示しています。
大太鼓を打ち鳴らす毛馬内盆踊りは、通りの数か所に篝火が焚かれ、揃いの半纏姿の地区内の若者たちによる「呼び太鼓」の音により、篝火を囲んで細長い輪を作り踊ります。踊りは、祖先供養の意味をもつといわれる「大の坂踊り」と、より娯楽的な「甚句踊り」の二つがあり、最初に太鼓と笛の囃子が付く「大の坂踊り」が踊られ、続いて歌のみによる「甚句踊り」が踊られます。
東京都
新島の大踊りは離島で踊られる盆の踊りとして特色があります。祝儀踊りと呼ばれるが、神霊を慰めるための祝いの踊りと言われ、盆行事と古風な神行事が結びついたものです。踊り子がカバと呼ぶ笠に色鮮やかな長い布を垂らして、誰が踊っているのか外からは分からない扮装も異様です。
神奈川県
三浦市三崎の下町、花暮と仲崎地区の少女たちが踊るチャッキラコは風流踊りです。晴れ着を身に着けた少女の踊り手は、まず本宮様の前で踊り、海南神社で踊ったあと、町内の招かれた家に行き踊ります。「チャッキラコ」とは、踊りの中の一曲に「コキリコ(綾竹)」を用いて踊る踊りがあり、その打ち合わせる音からでています。唄は主婦たちが唄うが楽器は用いない。あどけない踊り振りの中に古風な美しさが潜んでいます。
新潟県
一名念仏踊りとも呼ばれる大の阪(だいのさか)盆踊りは、江戸時代初期、上方と交流した問屋関係の人々によって京阪地方から伝えられた踊りです。どの歌詞にも祖先供養の意味を込めて「南無西方」の文字が入り、哀愁を帯びた静かな踊りが特徴で、国の無形民族文化財に指定されています。
綾子舞は、柏崎市女谷(おなだに)に約500年前から伝わる古典芸能で、女谷の黒姫神社の祭礼の時に演じられる。女性が踊る「小歌踊」と男性が演じる「囃子舞」と「狂言」の三種類の芸能から成なり立っており、綾子舞はその総称です。初期の歌舞伎踊りの姿や形をよく残している貴重な民俗芸能です。今では高原田(たかんだ)と下野(しもの)の2つの集落にある座元が、先祖伝来の芸能を誇りにし、情熱を燃やして受け継いでいます。
長野県
和合の念仏踊りは和合村(現:阿南町)を開いた宮下家の祖先が、二百年前ほど前に、他の地方で覚えてきて村人に伝えたものといわれています。太鼓と鉦を静かに打ち鳴らしながら、踊りはゆったりと厳かに始まり、次第に激しさを増していきます。ヤッコが長い竹の先に付いたチガヤをぐるぐる回し、ヒッチキと呼ばれる踊り手が互いの体をぶつけ合いながら裸足で飛び跳ねます。かん高い音に、ほとばしるエネルギーが重なり、その様は見る者を圧倒します。また、念仏や和讃を唱え、先祖や新盆を迎えた人々を供養します。踊りはかつて昼に行なわれたときもありましたが、現在は夜に行なわれています。
新野の盆踊りは、市神様の前に櫓をたて、切子燈籠を吊るして踊ります。踊りの種類は7つで、珍しいのは踊り収めに踊られる「能登」です。この曲になると踊り手は踊りながら瑞光院前の広場まで行く。持ってきた切り子灯籠を積み重ね、行者が呪文を唱え九字を切り、刀を抜いて道切りの式を行う。花火の合図で切り子灯籠に火がつけられると、一同振りむかずに秋歌を歌いながら帰ります。振り返ると精霊が戻ってきてしまうといわれ、古い習俗が残されている盆踊りです。
岐阜県
盆踊りとして全国的に名が知られているのが郡上おどりです。7月中旬から9月の初めまで延べ32夜開催され、最大の賑わいを見せるのが8月13日から16日で、徹夜踊りと称して夜明けまで踊ります。踊りの種類も多く、踊っていても飽きがこないのが人気の秘密と言われています。
静岡県
徳山の盆踊は約400年前から町内徳山区で継承される伝統芸能で、毎年8月15日浅間神社にて奉納されます。男子小中学生が雌雄の鹿の衣装をまとい躍動的に踊る「鹿ん舞」と、小中学生の女子が踊り手となり、化粧をし、浴衣の上に京の舞妓風の帯を締め小唄に合わせて舞う「ヒーヤイ」、成人男性による「狂言」で構成され、「ヒーヤイ」と「狂言」とが舞台で交互に演じられ、その合間に「鹿ん舞」が舞台の周囲で演じられます。
三重県
10月 かんこ踊りの「かんこ」とは「羯鼓」が転訛したとされ、胸に「かんこ」と呼ばれる締め太鼓を下げ、両手のバチで打ち鳴らしながら踊る民俗芸能で、かぶりものや背にかつぐものが大型で華やかな芸能です。伊勢を中心に伝承された念仏踊りの系統と伊賀を中心に伝承された雨乞踊りの系統があります。
滋賀県
近江に伝わるケンケト祭りは、長刀振りや太鼓打ちを中心とする少年の祭礼芸能で、色鮮やかな友禅模様の衣装を身にまとい、太鼓と鉦の囃子にのせて軽やかな長刀踊りを奉納します。その衣装は、織田信長が水口で戦った際に、従軍していた地元の人々の鎧を脱いだ格好とも言われています。
京都府
桜舞い散る季節に行われるやすらい祭「やすらい花」の唄に合わせ、赤い衣装をまとい、赤毛や黒毛の赤熊をつけた大鬼・小鬼の踊り手は太鼓・鉦・羯鼓(かっこ)を打ち鳴らして踊り狂うが、その間に脇に立てられた風流傘の下に人々が入れかわり立ちかわり入り込む。生花で飾った傘の下に立つと悪疫にかからないとされているからです。
京都市左京区久多で毎年8月24日の夜に行われる久多の花笠踊は灯籠踊です。花笠を手に持ち,太鼓に合わせて歌い踊るもので,室町末期ごろに流行した風流踊の面影を残しています。歌は、室町小歌の流れを汲むもので、130番余りの歌の詞章が残されている。踊りの主役となる花笠は村の男性が集って精巧な造花を作る。四角の行灯に六角の台を組み合わせたものに布をたらし、精巧な造花で飾り立て装いをこらした灯籠です。
六斎念仏は平安時代に空也上人が鉢を叩いて「南無阿弥陀仏」と唱えながら托鉢をした踊念仏(おどりねんぶつ)が始まりとされています。後に風流化し、能や歌舞伎などを取り入れ芸能化した芸能系六斎と念仏踊を主とする念仏六斎系の二つの系統に分かれて現在に伝わっています。主な六斎念仏として12の六斎念仏保存会があります。
奈良県
盆に踊られる風流踊りでは、十津川村の盆踊りが知られています。小原・武蔵・西川の集落の踊りが名高く、それぞれ多少の違いがあるが、男が太鼓を打ちながら踊り、女は扇を振って踊るのが基本で、これに切子燈籠をつけた笹竹を持つ者が加わったり、男女掛け合いで唄ったり、あるいは顔を覆って変装をしたりという古俗を今に残しているのが貴重です。
島根県
7月 鷺舞神事(さぎまいしんじ)に舞われる鷺舞は、中世の頃、京都祇園八坂神社の鷺舞を山口の大内氏が取り入れ、さらにこれを、津和野藩城主が取り込んだもので、雌雄の白鷺が羽を広げて舞う姿はまことに優雅で、山陰の小京都と呼ばれる津和野にふさわしい舞です。
岡山県
笠岡港の南に浮かぶ白石島には白石踊りと呼ばれる華麗な盆踊りがよく知られています。踊りには、男踊り、女踊り、笠踊り、娘踊りなどがあり、それぞれに踊り衣装が違っているが、これらの踊り手が一つの音頭、一つの太鼓に合わせて、それぞれに振りを違えて踊ります。踊りの輪は華やかで、その美しさには惹かれるものがあります。
徳島県
旧暦6月 西祖谷山村では西祖谷の神代踊が踊られる。この日は天満神社の夏祭りで境内の広場が踊り場になります。編み笠の男たちが一メートルほどの大太鼓を肩にかけ、これを打ち鳴らしながら十二種類の小歌を唄う。花笠をかぶった女性たちが扇を巧みに使いながら輪になって踊ります。古風を保った美しい踊りです。
香川県
念仏を唱えながら踊る雨乞い念仏踊りは滝宮念仏踊りが有名です。讃岐の国中が大干ばつにみまわれた時、国司であった菅原道真公が7日7夜の雨乞いの祈祷を行ったところ、満願の日に大雨が降り、喜んだ人々が滝宮神社で踊ったのが始まりだといわれています。踊りの中心は大団扇をもった下知(踊り手)で、太鼓打と中鉦とともに中踊をつとめる。まわりには、法螺貝・鉦・皷・笛などの鳴り物がつき、外鉦と警固による鉦や念仏にあわせて飛び跳ねるように踊ります。
綾子踊は、まんのう町に伝わる民俗芸能で風流踊り唄といわれます。ある旱魃の年、弘法大師がこの村の「綾」という女性に雨乞いの踊りを教えて竜王の祠の前で踊らせると、急に空が曇って雨が降り出したと伝えられ、以来、旱魃のときにはこの踊りを奉納して雨乞いをしたという。踊りは、長刀持と棒持が踊場の中央で口上を述べて踊り、次に芸司の口上のあと子踊、大踊、側踊の組が並んで踊る。曲目は十二曲があり、それぞれの小歌に合せて踊を展開していきます。
長崎県
平戸のジャンガラは平戸藩に伝わる念仏踊りで、豊年祈願の踊りとして神社仏閣に奉納したことに始まり、市内9地区に伝わっています。紙花で飾った菅笠をかぶった中踊(なかおどり)とよぶ踊り手が、腹に付けた太鼓を打ちながら激しく踊り、それを取り巻く太鼓や鉦、笛の楽器が囃します。ジャンガラというよび名は、「じゃん」は鉦(かね)の音、「ぐわら」は小鼓のふちを打つ音に由来するといわれます。