注目のお祭り
12月の民俗行事として、大晦日の夜に行われる秋田県の男鹿のナマハゲは有名です。ユネスコ無形文化遺産「来訪神:仮面・仮装の神々」にも認定されています。
「来訪神」とは、正月やお盆など、一年の節目に人間の世界を訪れ、怠け者を戒めたり、魔を祓い幸福をもたらしたりするとされる神々を指し、地域によってその仮面と仮装はさまざまです。
「来訪神:仮面・仮装の神々」に認定されている民俗行事
12月 甑島のトシドン(鹿児島県薩摩川内市)
12月 男鹿のナマハゲ(秋田県男鹿市)
1月 能登のアマメハギ(石川県輪島市・能登町)
旧暦9月 宮古島のパーントゥ(沖縄県宮古島市)※上野野原地区 旧暦12月下旬
1月 遊佐の小正月行事(山形県遊佐町)
2月 米川の水かぶり(宮城県登米市)
2月 見島のカセドリ(佐賀県佐賀市)
1月 吉浜のスネカ(岩手県大船渡市)
旧暦8月 薩摩硫黄島のメンドン(鹿児島県三島村)
旧暦7月 悪石島のボゼ(鹿児島県十島村)
宮城県
松島流灯会 海の盆は、霊場松島の夏を彩るお盆行事としてまた、16日に行われる「瑞巌寺大施餓鬼会」の前夜祭として例年開催されます。前夜祭は、中央広場やぐら前で和太鼓の演奏や盆踊りが行われ、灯籠流し船や供養花火のほか、松島の子どもたちが作った灯籠をともす「みんなの灯道」、「線香花火広場」などが行われます。16日は稚児行列が行われ、瑞巌寺での大施餓鬼会法要が行われます。
秋田県
8月16日に行われる盂蘭盆会の行事である、横手の送り盆まつりは、夕刻になると、町内ごとに屋形船が高張提灯を先頭に、15人ばかりの青年たちによって担がれ、蛇の崎橋を渡って川原へ繰り出し、先陣を競って互いに屋形舟を激しくぶつけ合います。同時に横手城をバックに花火が打ち上げられます。
埼玉県
小川の百八灯は盆の行事です。カズガラ棒、竹、ボロ切れ、空き缶、藁を集め、これで小ウシと呼ばれる灯明状のものを作り、これを400基ほど道路に並べ、祭場には大ウシを立てる。夜になると、これに点火するが、無数の灯が闇の中で灯るのは美しい。盆の送り火のひとつです。
神奈川県
箱根町の箱根強羅温泉大文字焼は大正10年(1921年)に、観光や避暑客の慰安のため盂蘭盆の送り火として行なわれたという伝統行事で、箱根外輪山の一峰、標高924メートルの明星ヶ岳の山腹につくられた大の文字に午後7時30分に点火され、はじめ炎の点だったものが線になり、次第に「大」の文字となって暗闇に浮かび上がるさまは幻想的です。点火と同時に花火が打ち上げられます。
福井県
8月 日本三大松原の一つである「気比の松原」で開催される、戦没者の霊を慰めようと始まった、敦賀市のとうろう流しと大花火大会は、読経に合わせて約4000個のとうろうが海へ流されて海上を鮮やかに彩り、同時に花火が打ち上げられ、海と空に光と音の豪華絵巻が繰り広げられます。
九頭竜川の永平寺河川公園で行われる永平寺大燈籠ながしは永平寺町の夏の風物詩です。曹洞宗大本山永平寺の役寮・雲衲衆による読経の後、先人たちへの「愛と感謝」、供養の想いを込めて九頭竜川に約1万個の燈籠が流される。川面にいくつもの幻想的な光の帯をつくる光景は、燈籠ながしとしては日本一の規模です。クライマックスは、色とりどりの花火が夜空を染め、水面と夜空に映し出された灯りが、光の祭典を最高に演出します。また、当日はステージやバザー販売などのイベントも開催されます。
京都府
8月 六道珍皇寺のあるこの地は、平安時代は墓所の鳥辺山の麓でその入口付近に位置したことから「六道の辻」と呼ばれ、冥界との境とも信じられていた。六道珍皇寺 六道まいりは精霊を迎える行事です。境内にある迎え鐘でこの世に迎えられた精霊は境内で売られている高野槇に宿り、それぞれの家へ向かうそうです。その後、16日の五山の送り火で精霊は送られ、京都の夏は終わると言われます。
大谷祖廟は浄土真宗の宗祖親鸞聖人の墓所で、東大谷万灯会は例年8月14日から16日に行われています。東大谷万灯会では大谷墓地へ夜間の墓参ができるようにと、幼稚園・保育園の園児が作画したこども提灯など大小約1万個の提灯が境内に吊るされます。なお東大谷万灯会では仏典童話の紙芝居や万灯会お盆法要(お勤め・法話)も行われます。
洛北の山村「花背」に伝わる送り火の祭り花脊の松上げは、火伏せの神を祀る愛宕神社への信仰とお盆の送り火が結びついたと考えられています。河原一帯の約千本の松明に徐々に点火して、高さ20メートルの大傘に向かってその松明を投げ上げ入れ、大傘に火をつけます。燃え上がった大笠は引き倒されて、火の祭典は壮観なクライマックスを迎えます。
盆の送り火として全国的に知られている大文字五山送り火があります。「大文字」、「松ケ崎妙法」、「船形万灯籠」、「左大文字」、「鳥居形松明」の五山で炎が上がり、お精霊(しょらい)と呼ばれる死者の霊をあの世へ送り届けるとされます。
嵐山の渡月橋東詰で行われる嵐山灯籠流しは、例年8月16日に行われています。戦後すぐの昭和24年から嵯峨一帯の寺院などでつくる嵯峨仏徒連盟が、戦没者の霊を慰めるために始めました。先祖供養の灯籠が炎をゆらめかせながら暗い川面を次々と流れていく幻想的で美しい情景ですが、この灯篭流しと同じ時間に、先祖の霊を浄土に送る鳥居形の五山送り火も見ることができます。
宮津燈籠流しは、宮津藩主・京極高広の時から 城下の人々が盆の精霊送りとして海へ燈籠を流した事が始まりと言われていますが、大正13年(1924年)に現在の形となりました。精霊船と約一万個の追っ掛け燈籠が海面を漂う姿は、誰もが見とれる幻想的な情景です。燈籠が流され始めた後、五彩七彩の花火が大空にはじけ、海と空が一体となる海上スターマインでクライマックスを迎えます。また、陸では宮津おどりが、ゆく夏を惜しむかのように踊られます。
化野は古くより鳥辺野などと並ぶ葬送の地です。化野念仏寺千灯供養は例年8月の最終土・日曜日に行われています。千灯供養では先ず地蔵堂前で法要が行われ、その後、賽の河原に模した西院(さい)の河原に祀られている数千体の無縁仏(石塔・石仏)にロウソクを灯して供養します。なお千灯供養は明治時代に始まった行事です。
奈良県
和歌山県
高野山万燈供養会は一の橋から奥之院御廟橋までの約2キロメートルの参道に約10万本のろうそくが灯され、光の川が出現する。暗闇に浮かぶ淡いろうそくの光は幻想的。奥之院に眠る御霊、先祖の御霊を供養するお祭りです。
島根県
隠岐の西ノ島町で行われるシャーラブネの続き旗の飾り付けは美しい。シャーラブネは盆の精霊送りの行事で、八月の盆におこなわれる。様々な色の数多くの旗で飾られた大きな藁船に、子どもたちが供物とともに乗り込んで海岸から沖に向かい、盆に迎えた先祖の霊を送り出します。
長崎県
精霊流し(しょうりょうながし)と言えばお盆に行われる、盆前に逝去した人の遺族が故人の霊を弔うため行事で、長崎市、また近辺など長崎各地で行われているお盆の伝統行事です。佐賀県や熊本県の一部でも同じような風習が残っている場所もあります。種々の装飾を施した精霊船がカネや爆竹を鳴らしながら「チャンコン チャンコン」という鐘の音の後に、「ドーイ ドーイ」の掛け声で、夜遅くまで繰り出していきます。
宮崎県
盆行事を締めくくる延岡の夏の風物詩、流れ灌頂(かんじょう)は、延岡市仏教会が主催となり行われるイベントで、無縁や迷う霊を供養する「流れ灌頂」と、祖先と初盆の霊を慰め、灯籠で送り出す「精霊流し」が重なったものです。「水郷」とも称される延岡市に江戸時代から伝わる夏の伝統行事で、毎年約3千人の市民が訪れます。