
長崎ランタンフェスティバル
写真提供:(一社)長崎県観光連盟

チャンココ
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長崎くんち(龍踊)
長崎県は全土が半島と島嶼部からなり、山地からすぐに海に落ち込む地形のため平野部は少ない。対馬、壱岐、平戸、五島などの島が多く長崎県全体の印象は海洋県の色彩が強く、オランダを窓口とするヨーロッパとの海外交流や中国との交流による中国文化の影響などは、異国情緒と表現される独自の文化を長崎市を中心に形成してきました。
1月 ヘトマトは五島市下崎山地区に古くから伝わる民俗行事です。綱引きや玉の奪い合いなどにより豊凶を占い、生業の発展、除災招福を祈願する行事である。エンマゴヘイ(閻魔御幣)と呼ばれる御幣を捧持するハタモチ(旗持ち)の巡行から始まり、ハゴイタツキ(羽根突き)、タマゲリ(玉蹴り)、綱引きが順次行われます。
長崎の街を極彩色に彩る長崎ランタンフェスティバルは旧暦の1月1日から15日にかけて行われる長崎の冬の一大イベントです。もともと長崎新地中華街の人たちが、旧正月を祝う春節祭として始まったものが年々広がりを見せ、長崎の冬の風物詩として知られるようになりました。新地中華街はもとより、湊公園、中央公園、眼鏡橋周辺、浜の町・観光通りアーケードなど、市内中心部が色鮮やかなランタンで飾られます。
3月 雲仙市の観櫻火宴は、桜の季節に開催される日本一のたいまつ武者行列です。総勢150名の武者たちが、松明を片手に桜咲き誇る橘公園を練り歩く、県内最大の火祭りで、肥前龍造寺軍の千々石(ちぢわ)攻略の史実を基に再現される勇壮かつ幽玄な歴史絵巻を再現しています。
4月 長崎ハタ揚げは、出島のオランダ人の付き人だったインドネシア人が、望郷の思い忘れ難く、凧を揚げたのが始まりといわれています。長崎では凧のことを「ハタ」と呼び 長崎の凧は揚げて楽しむのではなく、他の凧と掛け合い、切り合うのが目的です。そのため、糸にはガラス粉が塗ってあり、糸同志に喧嘩させて、相手の凧糸を切って落とす仕組みになっています。
宇久島の神浦郷厳島神社では、旧暦6月17日に竜神祭(ひよひよ祭)が行われます。海神と信じられている竜神様を祀る祭りで、幟や御神灯で飾った漁船に子どもたちと神輿・笛・太鼓を乗せて、月が昇るのを見計らって出港し、その船の中で「ヒヨーヒヨーヒヨー」と声を掛け合いながら夜の港内を3周する幻想的なお祭りです。「ヒヨーヒヨー」という囃子は、かつて、村一番の笛の名手といわれた平左衛門の笛の音を真似たものだといわれています。
400年余り前の安土桃山時代、交通の要衝であった早岐では、漁師や農民らが山海の幸を持ち寄って物々交換したのをきっかけに「市」がたつようになりました。5月の早岐茶市は最盛期の江戸末期から明治の中頃にかけては600隻もの船が集結し、九州の茶の相場は早岐で決まるとまでいわれました。沢山の山海産物店や金物店、苗物、陶器店などの露天商が並び、早岐茶市は今でも活気に溢れています。
7月 壱岐市で最大のお祭り、八坂神社の郷ノ浦祇園山笠は、島で江戸時代から約280年間続く行事です。「山笠」とは、山車のような形状をしていますが、曳かないで、お神輿のように担ぐ(かく)ものです。この山笠を担いで石段を駆け上がる難所が、この祭りの大きな見所となっています。
かって船競漕は、その勝敗によって吉凶を占う行事でした。長崎港で初夏に行われる長崎ペーロン選手権大会の「ペーロン」には、中国の詩人屈原の霊を慰めるために始められた船競漕であるとの伝承が残されているようです。現在この大会は各地区の選抜チームが覇を競い、近年は、中国や兵庫県相生市との親善交流も行われています。なお、同じような船競漕には沖縄のハーリーがあります。
8月 大村市では市内にある二十五の神社が合同しておおむら夏越まつりを行う。夏を無事に越し、疫病退散を願う祭りとしてはじめられた新しい祭りで、約2千人にも及ぶ人が一斉に踊る夏越総踊りや太鼓の競演、奉納演芸やその他の催物が多数があり市民参加型のイベントとして親しまれています。
お盆の五島列島の各地には数多くの念仏踊りがあります。オネオンデ、チャンココ、オーモンデーなどの名称で伝えられるが、いずれも鉦と太鼓を打ち鳴らして踊り、その唱える声や叩く音から名称がつけられたといわれています。いずれの踊りの服装も頭に兜、花笠、独特の被り物と違いがあるが、腰は腰蓑を着けるなどの共通点があります。
10月 長崎くんちには、さまざまの奉納芸能が繰り広げられます。奉納芸能には唐人船、オランダ万才(まんざい)など異国情緒を感じさせるものがあるが、なかでも一番人気のあるのが「龍踊り」で、唐人服装をした11名の若者が、ドラ、太鼓、龍声ラッパの独特な拍子に合せて、長さ20メートルの龍を操り、さながら生き物のように踊る様は、実に壮観であります。なお、「くんち」は本来「おくんち」で旧暦の9月9日の「お九日」から出た言葉とも言われています。
12月 「神々が集う島」として知られる壱岐島の壱岐神楽は600年以上の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財に指定された。神職を世襲する社家の男性が、舞人と楽人を務めてきており、後継者不足などの課題を抱えながらも、島民によって守り、受け継がれています。



長崎県の花はミヤマキリシマ
長崎県の鳥はオシドリ
長崎県の木はヒノキ