注目のお祭り
節分が終わるころに雛まつりが始まります。期間は長いもので2月上旬から3月下旬まで開催されます。
ビッグな雛まつりとしては、茨城県大子町の百段階段でひなまつり、埼玉県鴻巣市の鴻巣(こうのす)びっくりひな祭り、千葉県勝浦市のかつうらビッグひな祭り、静岡県袋井市の可睡斎ひなまつり、兵庫県小野市のビッグひなまつりなどがあります。
子どもの無病息災を願い、和紙や草木で作った雛人形を川や海に流す、流し雛の行事は、東京都台東区の江戸流しびな、京都市下鴨神社の流し雛、和歌山市淡嶋神社の雛流し、鳥取市のもちがせ流しびな、福岡県福津市 宮地嶽神社の流し雛神事など。
また、変わったひな祭りとして、宮城県白石市 弥治郎こけし村の雛の宴展のこけし雛、静岡県東伊豆町の雛のつるし飾りまつり、愛知県瀬戸市の陶器雛 陶のまち瀬戸のお雛めぐり、滋賀県長浜市の黒壁ガラスの雛まつりなどがあります。
福島県
じゃんがら念仏踊は太鼓と鐘のリズムに合わせながら念仏を唱え踊る伝統芸能でいわきの夏の風物詩です。江戸時代初期に泡斉というお坊さんが寺院修理のために江戸へ行く途中、花笠をかぶり太鼓を肩にかけ、鉦を手にし、念仏をとなえ歩いていました。それが「泡斉念仏踊」です。この泡斉念仏に、いわきの民謡を取り入れ、独自の念仏踊りに再編して行ったものが、現在の「じゃんがら念仏踊り」です。
玉川村で行われる南須釜の念仏踊りは、江戸時代の初めから受け継がれている伝統的な民俗芸能です。毎年4月3日の大寺薬師祭では、東福寺境内で踊りが奉納され、8月14日には東福寺と新盆にあたる各家を巡って踊り、亡くなった親族の御霊を供養します。踊りは12歳までの少女10数名ほどで構成され、色鮮やかな振り袖や花笠をかぶり、扇子や綾竹を振って音を鳴らしながら華やかに踊ります。
神奈川県
百万遍念仏は円座になった男女が念仏を唱えながら大珠の数珠を手で繰ってまわすものです。百万回まわすと目的が成就されるとしているが、2月に行われる、世附の百万遍念仏は大数珠を数珠車にかけて勢いよくまわしながら念仏を唱える。この念仏行事のあと獅子舞が演じられ、また鳥刺しの狂言も上演されます。
長野県
和合の念仏踊りは和合村(現:阿南町)を開いた宮下家の祖先が、二百年前ほど前に、他の地方で覚えてきて村人に伝えたものといわれています。太鼓と鉦を静かに打ち鳴らしながら、踊りはゆったりと厳かに始まり、次第に激しさを増していきます。ヤッコが長い竹の先に付いたチガヤをぐるぐる回し、ヒッチキと呼ばれる踊り手が互いの体をぶつけ合いながら裸足で飛び跳ねます。かん高い音に、ほとばしるエネルギーが重なり、その様は見る者を圧倒します。また、念仏や和讃を唱え、先祖や新盆を迎えた人々を供養します。踊りはかつて昼に行なわれたときもありましたが、現在は夜に行なわれています。
静岡県
遠州一円で踊られているのが遠州大念仏です。その起源は三方ヶ原合戦の戦没者を回向するためと伝えられている。初盆を迎えた家の死者の霊を慰めるために踊られる集団念仏踊りで、太鼓を中心にして、その後ろに双盤(そうばん)を置き、音頭取りに合わせて念仏やうたまくらを唱和します。そして、太鼓を勇ましく踊るようにして打ち鳴らし、初盆の家の供養を行います。
愛知県
諸縁を放棄して無我の心になるという意味が込められた盆の念仏踊り、大海の放下は、新城市が誇る伝統的なお祭りです。踊り子は胸に太鼓をつけ、背中に「大念仏」「南無阿弥陀仏」などと墨書された大団扇を背負い、それを振り回し、締太鼓と笛が奏でる独特なリズムで踊ります。夕刻から初盆の家々を訪ね、新仏の供養をして廻ります。哀調を帯びた節回し、鉦や笛の音が宵のまちに響きわたります。
京都府
六斎念仏は平安時代に空也上人が鉢を叩いて「南無阿弥陀仏」と唱えながら托鉢をした踊念仏(おどりねんぶつ)が始まりとされています。後に風流化し、能や歌舞伎などを取り入れ芸能化した芸能系六斎と念仏踊を主とする念仏六斎系の二つの系統に分かれて現在に伝わっています。主な六斎念仏として12の六斎念仏保存会があります。
和歌山県
戯瓢踊(けほんおどり)は御坊市薗に伝承する念仏踊系の風流踊です。小竹八幡神社の秋祭の宵宮と本祭(神幸祭)に踊られる。大奇瓢(約1メートルの大瓢箪を持つ者)1名、小瓢(渦巻状の小瓢箪を持つ者)十数名、太鼓、鼓、鉦の編成で、花笠をかぶり、絵模様のついた白帷子(しろかたびら)に黒絽(くろろ)の僧衣様の衣を着て、円陣または2列になって踊る。江戸初期には存在し、9代紀伊藩主徳川治貞から賜った四恩状を御書読人(ごしょとくにん)が読み上げてから始めます。
香川県
念仏を唱えながら踊る雨乞い念仏踊りは滝宮念仏踊りが有名です。讃岐の国中が大干ばつにみまわれた時、国司であった菅原道真公が7日7夜の雨乞いの祈祷を行ったところ、満願の日に大雨が降り、喜んだ人々が滝宮神社で踊ったのが始まりだといわれています。踊りの中心は大団扇をもった下知(踊り手)で、太鼓打と中鉦とともに中踊をつとめる。まわりには、法螺貝・鉦・皷・笛などの鳴り物がつき、外鉦と警固による鉦や念仏にあわせて飛び跳ねるように踊ります。
長崎県
お盆の五島列島の各地には数多くの念仏踊りがあります。オネオンデ、チャンココ、オーモンデーなどの名称で伝えられるが、いずれも鉦と太鼓を打ち鳴らして踊り、その唱える声や叩く音から名称がつけられたといわれています。いずれの踊りの服装も頭に兜、花笠、独特の被り物と違いがあるが、腰は腰蓑を着けるなどの共通点があります。
平戸のジャンガラは平戸藩に伝わる念仏踊りで、豊年祈願の踊りとして神社仏閣に奉納したことに始まり、市内9地区に伝わっています。紙花で飾った菅笠をかぶった中踊(なかおどり)とよぶ踊り手が、腹に付けた太鼓を打ちながら激しく踊り、それを取り巻く太鼓や鉦、笛の楽器が囃します。ジャンガラというよび名は、「じゃん」は鉦(かね)の音、「ぐわら」は小鼓のふちを打つ音に由来するといわれます。