
三熊野神社大祭

吉原祇園祭

掛川大祭
日本一の名山と言われる富士山の景観を誇る静岡県は、昔から上方と江戸を結ぶ東海道が通る、いわゆる東海道五十三次の宿駅のうち22 宿が静岡県にあった関係で、日本の東西を結ぶ経済文化の架け橋の役目を果たし、東西の文化交流の影響を残しています。
旧暦1月 浜松市水窪町西浦の西浦田楽(にしうれでんがく)は観音堂の正月祭りとして行われているが、観音堂の別当家と能衆の17家の人々によって伝承されてきています。祭りの構成は、地能と呼ばれる三十三番と、はね能と呼ばれる十二番、これに獅子・鬼・しずめが番外としてついている。地能は、神楽・呪師・田楽・猿楽・田遊びなどを含み、はね能は世阿弥以後の猿楽能とみられています。全国的にみても異例の田楽で、その存在はきわめて貴重です。
藤守の大井八幡宮は、大井川の河口に近いデルタ地帯にあり、早くから水田耕作の土地として知られています。この地の稲作の豊穣を祈っての祭りが、3月に行われる藤守の田遊びですが、開墾、田植えから稲刈りまでの農作業の様子を表す25組の演目と番外とで構成される演舞が奉納されます。古い形の田遊びを伝える代表格として全国的に有名です。
4月 大瀬まつり内浦漁港祭は各地の大魚旗を付けて飾り立てた漁船が集まり、派手な襦袢を着た若者が乗り込んで「馬鹿囃子」で囃したてる。大瀬神社に着いた漁船から石を詰めた俵が海に投げ込まれ、若者がその石俵を拾い上げ神社に奉納する、大漁と航海の安全を祈る祭りです。
掛川市の横須賀地区で行われる三熊野神社大祭は、280余年にもわたり受け継がれてきた伝統ある祭りです。見所は、神輿の渡御とそれに従う華やかな13基の祢里(ねり)の曳き廻しです。祢里の上では笛と太鼓の祭囃子が奏でられ、威勢のよい掛け声とともに、古い町並みが残る横須賀地区の城下町を巡行します。この時期、三熊野神社の境内には桜が咲き揃い、一段と祭りを華やかに飾ります。
5月 浜松まつりは大凧が5月の空に悠々と舞う。凧揚げまつりの一番の見どころは「糸切り合戦」で、これは、参加する各町の凧糸を絡ませ、互いに擦り合って相手の糸を断ち切る戦いです。夜は、市中心部で、お囃子の笛と太鼓、三味線の音に合わせて御殿屋台が引き回されます。美しくライトアップされた屋台には、各町様々に趣向を凝らした彫刻が浮かび上がり、祭り絵巻を見ているかのような感覚で、見るものを魅了します。
浅間大社流鏑馬祭は建久4年(1193年)、源頼朝が富士の裾野で巻狩りを行った際、武将を率いて浅間大社に詣で、流鏑馬を奉納したのに起因するといわれます。鎌倉時代の武者に扮した100名ほどが富士宮の市街地を練り歩いたあとに、境内、桜の馬場にて鎌倉武士の狩り装束のいでたちで、勇壮な小笠原流流鏑馬式が行われます。なお、富士の巻狩りは「曽我兄弟の仇討ち」の舞台でもあります。
6月に東海道吉原宿を中心に開催される吉原祇園祭は通称「おてんのさん」と呼ばれ京都の祇園祭の流れをくみ、悪霊、疾病を退散させる祈りが祭りとなりました。町内ごとに特徴が違う山車の競り合いは見応えがあり、たくさんの露店が並びます。
7月 遠州一円で踊られているのが遠州大念仏です。その起源は三方ヶ原合戦の戦没者を回向するためと伝えられている。初盆を迎えた家の死者の霊を慰めるために踊られる集団念仏踊りで、太鼓を中心にして、その後ろに双盤(そうばん)を置き、音頭取りに合わせて念仏やうたまくらを唱和します。そして、太鼓を勇ましく踊るようにして打ち鳴らし、初盆の家の供養を行います。
富士山頂で採火された「御神火」を富士山本宮浅間大社に奉納する8月の富士山御神火まつりは、御神火を灯した神輿が市内の商店街を練り歩き、富士山の湧水が流れる冷たい神田川の水流を遡る勇壮な「神田川昇り」が祭りの見所です。
旧暦の8月 菅原道真の怨霊を鎮める祭りといわれる見付天神裸祭は、晒の腹帯と下帯だけの裸体に新藁で作った腰蓑をつけた男たちが、神社の拝殿へ繰込んで床を激しく踏みつけながら踊る。この踊りを鬼踊りと呼ぶが、その跳躍乱舞は壮絶です。鬼踊りが最高潮に達する中、八鈴が打ち鳴らされ、いよいよ神輿が出御する。漆黒の闇に包まれた拝殿内にお出ましになった御神霊は、お供を従えて総社へとお渡りになります。
旧暦9月 浜松市で舞阪大太鼓まつりが開催されます。岐佐神社(きさじんじゃ)の祭礼で、十五夜に、神輿の渡御とともに豊漁を祈願して大太鼓が奉納されます。直径1.8メートルを超える巨大な太鼓をつけた屋台が8台登場し、長さ1メートルほどの「太鼓ぶち」という木の棒で勇壮に打ち鳴らす。太鼓屋台が三連の鳥居を勇壮に叩きながら上り下りする場面は圧巻です。
日本三奇祭に数えられる島田大祭・帯まつりは10月に行われる3年に1回の祭りです。神輿渡御には、大名行列、鹿島踊り、屋台が従うが、大名行列の大奴が2本の木太刀を左右に差し、これに帯を吊るして歩くので帯まつりと称されるようになりました。もとは安産祈願のお参りした女性が宿場内に帯を披露していたものが、いつしか大奴に代わったようです。
城下町・掛川宿の伝統を色濃く残す掛川大祭も3年に1回行われ、行列と獅子舞の「かんからまち」、勇壮な「奴道中」や、装飾された屋台の曳きまわしを中心に、美しい衣裳や珍しい屋台での長唄演奏、手踊りなど、さまざまな出し物が披露され市街地は祭り一色に染まります。なお、大祭以外の年は掛川祭として実施されます。



静岡県の花はつつじ
静岡県の鳥はさんこうちょう
静岡県の木はもくせい