
横手のかまくら

秋田竿燈まつり

西馬音内盆踊り
北方に位置する秋田県は温暖な地ではない。冬は雪の舞う寒風が荒れ狂い、夏にも時には冷害が襲う。そんな厳しい北国の気候風土に生きて、美人や美酒、肥沃な秋田平野からは美味しいお米を育ててきた秋田県人は自然に対する信仰心が厚いと言われ、祭りにも色濃く出ているようです。
昔、この地方で栄えたというダンブリ長者に由縁のある大日堂で、年の始めに行なわれる大日堂舞楽(だいにちどうぶがく) は、各集落から氏子の能衆が集まって、田楽や能などの芸能を奉納する行事です。祭りは、各集落ごとの、早朝の舞に始まり、やがて行列を整えて各所から大日堂に集まり、宝物殿前の舞台で7種類の舞を奉納します。この祭りはユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
ぼんでんの祭りは秋田県下に八十余りあります。その中で三吉梵天祭が広く知られています。この祭りは梵天と呼ばれる竹のかごに布や五色の紙を飾りつけたものを担ぎながら神殿までを競い合うお祭りで、境内を激しくもみ合いながら奉納する様子は、その勇壮さから「けんか梵天」とも呼ばれています。
秋田県南西部の町にかほ市の金浦(このうら)地域では、毎年2月4日の立春の日に、掛魚(かけよ)まつりなるものが行われています。海上安全と大漁を願い、地元で獲れる巨大な「寒鱈」を担いで人々が町を練り歩き、守護神である金浦山神社に奉納して感謝を捧げるという、一風変わったお祭りです。
なまはげ柴灯(せど)まつりは男鹿市北浦の真山神社境内で行われている祭りで、1月3日に真山神社で行われる神事「柴灯祭(さいとうさい)」と、男鹿の民俗行事「なまはげ」を組み合わせた冬の観光行事です。柴灯祭とは、平安時代の終わり頃から行われる由緒ある祭で、境内に柴灯を焚き上げ、この火で炙られた大餅を奉納する儀式。なまはげも、男鹿を代表する民俗行事で面や藁で編んだケデと呼ばれる衣装を身にまとい、出刃包丁を持ち威厳のある所作で新しい年のはじまりを祝います。
犬っこまつりは約400年もの長い間続くといわれる湯沢地方の民俗行事です。かつて白昼堂々と人家を襲う「白討(はくとう)」という大盗賊が跋扈していたので、殿様がこれら一味を退治し、再びこのような悪党が現れないようにと、米の粉で小さな犬っこや鶴亀を作らせ、家の入口や窓にお供えして安全祈願をしました。その伝統が今も受け継がれ、現在は雪で作ったお堂の中にしんこ細工の犬っこを置き、お餅や甘酒などをお供えするようになりました。
「かまくら」と呼ばれる民俗行事は秋田県の各地にあるが、雪をトーチカのように固め、その雪洞の中に水神様を祀り、子供たちが集まって遊ぶ横手のかまくらが代表的なものです。中に子どもたちが入って、「はいってたんせ(かまくらに入ってください)」「おがんでたんせ(水神様をおがんでください)」といいながら、甘酒やおもちをふるまいます。
5月 願人踊の願人とは、山伏、修験者のことで、大阪の住吉踊りから発したされる願人坊踊りの系譜に連なるものされます。八郎潟町に伝えられたのはおおよそ300年前と言われ、裾をはしょった女物の長襦袢の羽織、前垂れを腰から下げた踊り手の、奔放でリズミカルな踊りが特徴です。途中、歌舞伎仮名手本忠臣蔵五段目の山賊、「定九郎」と爺ちゃ「与市兵衛」が登場して演じる寸劇が踊りをより一層楽しいものにしています。
5月の終わり、にかほ市象潟町小滝地区に伝わる小滝のチョウクライロ舞は国の重要無形民俗文化財に指定され、金峰神社祭礼におこなわれる延年の舞です。境内にはチョウクライロ山という土舞台があり、この舞台でしか舞うことができないものとされてきた。チョウクライロとは「長(ちょう)久(く)生(ら)容(いろ)」からきていて、長く久しく生きる容(すがた)の意味で延命長寿を祈って演じられる舞とされます。
7月 秋田市土崎の神明社の大祭が土崎港曳山まつりです。この祭りには二十台余りの山車が曳き出されて大賑わいになります。北前船でやってきた上方の商人たちが、土地の者とともに山車を曳きはじめたのがはじまりといわれています。山車に飾りつけられる人形は、表は武者人形ですが、裏の見返しにはさまざまの新しい趣向が盛りこまれていて、その人形が伝統ある山車を現代に結びつけているようです。
8月 東北三大祭の一つで観光的な祭りを代表する秋田竿燈まつりでは、46個の火の入った提灯を吊るした竿燈を絶妙なバランスで手のひら、額、肩、腰などに移していく曲芸のような技に圧倒されます。まつりに出る竿燈は200本を超えるので、それらが一斉にゆらめくのを見るのは壮観です。竿燈全体を稲穂に、吊るされた提灯を米俵に見立て、五穀豊穣を祈願します。
西馬音内盆踊りは、彦三頭巾と呼ばれる黒い頭巾で顔を隠しているのが異様ですが、これは祖霊の帰ってきた姿という伝承になり、また、端縫いと呼ばれる端切れを組み合わせた衣装は、祖母や母の着物の布地を綺麗に縫い合わせてあり、その衣装を身に着けることで祖先の霊とともに踊るという伝承をも残しているのは、いかにも盆踊りの性格を示しています。
大太鼓を打ち鳴らす毛馬内盆踊りは、通りの数か所に篝火が焚かれ、揃いの半纏姿の地区内の若者たちによる「呼び太鼓」の音により、篝火を囲んで細長い輪を作り踊ります。踊りは、祖先供養の意味をもつといわれる「大の坂踊り」と、より娯楽的な「甚句踊り」の二つがあり、最初に太鼓と笛の囃子が付く「大の坂踊り」が踊られ、続いて歌のみによる「甚句踊り」が踊られます。
日本一の祭り囃子とも称賛される鹿角市花輪の花輪ばやしには各町内から十台の屋台が曳き出される。「花輪囃子」と呼ばれているように屋台囃子に特色があります。十曲を超える囃子の曲目があり、それぞれが変化に富んでいる。囃子の構成は、小太鼓二、打太鼓八、横笛三、三味線二、鉦一を原則としているが、屋台によってその構成に差異があります。
9月 藤里町の浅間神社例大祭で奉納される藤琴豊作踊りは全体が大名行列をかたどり、棒使い、鋏箱、槍持ち等が先頭にたち、馬上の武士、御輿等と行列を組んで家々を周ります。奴は奴踊り、棒持ちは棒使い、槍持ちは槍踊り、馬上の武士は、いわゆる駒踊りと称する馬の頭と尾をかたどった木枠を腰に付け、後ろには旗をさし甲冑のような衣装を身にまといます。両肩には「羽」と呼ばれる袖を付けますが、この「羽」を両ひじで勢いよく跳ね上げるのが特徴で躍動感あふれる舞です。
人形を飾りつけた飾り山の山車をぶつけあったり、山車の前舞台で可憐な秋田おばこの踊りが踊られたりする祭りが 角館祭りのやま行事です。飾り山が通りで出会うと、二台の飾り山が激しくぶつかり合うので喧嘩祭りの異名もつけられています。「秋田おばこ」や「秋田甚句」で踊る秋田おばこは、かっての秋田の野良着姿で踊るが、それがとてもすがすがしく感じられます。
大晦日の行事として全国的に有名な男鹿半島のなまはげがあり「春来る鬼」を迎えます。「なまはげ」とは、冬の間火のそばにいると脛(すね)に赤い斑点ができる。これを「なもみ」と言い、これを剥ぐ「なもみ剥ぎ」から、「なまはげ」になったと言われる。つまり「なもみ」を作るような怠け者になるなとの警告がこめられているのです。
秋田県の花はフキのとう
秋田県の鳥はやまどり
秋田県の木は秋田スギ
(秋田県公式ホームページ)
