
相馬野馬追

会津まつり

木幡の幡祭り
福島県は、その地形によって県土を大きく三つに分けています。阿武隈高地と奥羽山脈を境に会津、中通り、浜通りに分けられて、異なる気候風土のもと、それぞれの地方文化が定着しています。また、福島県は東北地方の玄関口として関東地方に接しているので、関東の文化との交流がみられます。
正月の祭りである西方水かけまつり、若者たちがバケツで激しく水をかけ合う、いわゆる婿いじめの風習を伝える祭りともいわれるが、無病息災・子孫繁栄・五穀豊穣を祈願する古くからの「みそぎ」の行事です。かけあう井戸の水がなくなると、泥水までかけあうことから「泥かけまつり」とも呼ばれています。
1月7日に行われる七日堂裸詣りは、千余年の伝統を持つ、無病息災を祈る行事です。御堂で鳴らす一番鐘を合図に、数百人の裸の若者たちが、掛け声も勇ましく113段の石段を駆け上がり、本堂の天井につるされた大鰐口目指して麻縄に一斉に揉み合いながら攀じ登る熱気あふれる勇壮な祭りです。
2月 福島市のシンボル信夫山に鎮座する羽黒神社の例祭で信夫三山暁まいりは長さ12メートル・幅2メートル・重さ2トンの日本一の大わらじを白装束の若衆が担ぎ、市内を練り歩いた後、信夫山の羽黒神社に奉納します。昔、羽黒神社に仁王門があり、安置されていた仁王様の足の大きさにあった大わらじを作って奉納したことが由来とされ、江戸時代から300有余年にわたり受け継がれています。8月に開催する「福島わらじまつり」の由来となっているお祭りです。
7月には京都祇園、中の津島(愛知)と並ぶ日本三大祇園祭の一つに数えられる会津田島祇園祭は、数多くの露店や大屋台が立ち並び、大屋台で上演される子供歌舞伎や、神様へのお供え物を運ぶ七行器(ななほかい)行列、町中を廻る神輿渡御、最終日に神社の神楽殿で奉納される太々御神楽(だいだいみかぐら)など見どころの多いお祭りで大勢の観光客が訪れます。
7月の終わりに、馬が祭りの主役になるのが相馬野馬追です。主会場の南相馬市雲雀ヶ原で展開される「野馬追」の行事は、過ぎ去った昔の姿を現在に甦らせる壮大なページェントで、甲冑競馬と神旗争奪戦、町中を騎馬武者が行進するなど夏祭りの一つとして広く世に知られた祭りです。野馬追は相馬氏の始祖とされる平将門からはじまったともいわれています。
8月 御宝殿熊野神社の稚児田楽・風流は「ザラッコ」とも呼ばれます。踊り手が手にして踊る「ビンザサラ」という楽器が、ザラッ、ザラッと鳴るところからつけられた名前です。笛・太鼓の囃子方に対して、鳥・兎の役がそれぞれ一人、ザラッコが六人の計八人の稚児で、ビンザサラを摺りながら田楽舞を演じます。この地のものは稚児が演じるので、実に素朴で可憐な味わいがある田楽です。
郡山うねめまつりは、奈良時代のうねめ(宮中の女官)伝説にちなんだ郡山最大の祭りです。うねめ提灯で飾られた街並みは郡山の夏の風物詩です。日本一の大きさを誇る「うねめ太鼓」の響きが街を揺らし、最終日には市民が参加する「うねめ踊り流し」が行われ、祭りのフィナーレを飾ります。
じゃんがら念仏踊は太鼓と鐘のリズムに合わせながら念仏を唱え踊る伝統芸能でいわきの夏の風物詩です。江戸時代初期に泡斉というお坊さんが寺院修理のために江戸へ行く途中、花笠をかぶり太鼓を肩にかけ、鉦を手にし、念仏をとなえ歩いていました。それが「泡斉念仏踊」です。この泡斉念仏に、いわきの民謡を取り入れ、独自の念仏踊りに再編して行ったものが、現在の「じゃんがら念仏踊り」です。
富岡町の麓山神社の麓山の火祭りは、大松明の火祭りとして名高いのですが、野菜等を神殿に並べて祈祷を行なう「七拾五膳の献膳」が古式にのっとって伝えられている貴重な祭りです。2メートル余りの大松明を十数人の白褌姿の青年がそれぞれ手にして山頂に駆け登り、再び駆け下ってくると社殿を三十三回まわる。燃えさかる大松明が壮観です。
9月に行われる飯野八幡宮例大祭は別名「生姜祭り」とも呼ばれているが飯野八幡宮流鏑馬神事は、狩り装束に身を包んだ騎士が、的矢では掛け声とともに馬上から的をめがけて次々と矢を放ち、生姜撒き・扇子撒きでは縁起物のショウガと扇子がまかれます。
会津まつりは会津若松市最大の祭りです。初日の夜に実施される「提灯行列」は、子供たちが提灯を持って鶴ヶ城本丸から神明通りまで行進します。初日と2日目の夜には会津地方の盆踊り唄、会津磐梯山を踊るイベントがあります。最大の目玉は先人を偲び、熱く燃える「会津藩公行列」は江戸時代末期の会津藩時代の武士、大名などを中心に、様々な時代の会津藩の人びとの姿に扮した行列が街を練り歩きます。
10月 提灯祭りとして有名なのは二本松の提灯祭りです。二本松神社の秋祭りで、七台の太鼓台が祭り囃子を奏でながら町内を練り歩くが、その太鼓台にたくさんの提灯が吊るされており、その提灯の火が深夜になると一層輝きを増して、祭りの雰囲気を盛り上げます。
飯坂けんか祭りは日本三大けんか祭りの一つといわれます。神輿は町内を巡幸したのちに、夜になると大勢の若衆に担がれた6台の屋台と共に境内に入ります。そこで屋台同士が激しくぶつかり合います。揺れる提灯の灯が夜を彩り、打ち鳴らされる太鼓の音が大地を轟かす様は圧巻です。
11月 須賀川市栗谷沢の五老山で行われる須賀川の松明あかしは数十名の白衣の若者が神社のかがり火から手にした松明に火を移し、山頂の御神火台に点火する。町内の老若男女は小松明を持って山に登り、山頂の柵に松明をかける。大松明とともに燃える小松明は一千本を超え、全山が火の海になり晩秋の夜空を焦がします。
12月 二本松市の木幡の幡祭りは「前九年の役」で、木幡山に降り積もった雪を源氏の白旗と見違った敵の軍勢が戦わず敗走した故事に由来する祭りです。氏子男性たちが、五色に彩られた百数十本の五反幡を押し立て法螺貝を響かせ、阿武隈の山間の道をぬって木幡山をめざす、この祭りは師走の風物詩となっています。



福島県の花はネモトシャクナゲ
福島県の鳥はキビタキ
福島県の木はケヤキ