三重県は伊勢、志摩、伊賀、紀州の4国からなり、自然環境に恵まれ、海の幸、山の幸、里の幸に恵まれた豊かな「うまし国」でもあり、経済は名古屋圏だが、言語や文化のルーツは関西ではないかと思います。
1月 梶賀町のハラソ祭りは、八挺櫓の鯨船を使って行われる。この鯨船を漕ぐ時の掛け声が「ハラソ」というところから、鯨船をハラソ船と称されている。ハラソ船に数多くの大漁旗を飾って漕ぎまくり、銛(もり)を高く投げあげるのが壮観で、鯨取りの古法を伝えるものとして貴重です。
日本書紀にも記されている日本最古の神社「花の窟」は、イザナミノミコトの御陵であり、熊野三山の根源地として我が国古代信仰にとって非常に重要な神域です。170メートルの大綱を高さ約45メートルの御神体の窟頂上から「七里御浜」へ引き出して境内へ渡す花の窟神社お綱かけ神事は、五穀豊穣を祈願するとともに神と結びつながり、神の恵みをいただく太古から受け継がれる神事です。毎年2月2日と10月2日の2回行われます。
尾鷲市のヤーヤ祭りの中心は弓射と獅子頭の出御ですが、例大祭の日の行列には尾鷲節の踊り、各町の手踊りなどがあり楽しめます。弓射のあとは獅子頭の出御となり、その獅子頭を頭上にいただいた宮司が帰る時に、右を向いて廻れば山方が豊作、左に向いて廻ると浜方が豊漁だとして、山方、浜方の若衆が激しく練るのが壮観です。
いなべ市北勢町阿下喜で開催されるあげきのおひなさんは昭和の風情が残る阿下喜のまちなか約100軒でおひなさまが展示されます。段飾りや吊るしびな、手作りの作品などが飾られ、華やかな雰囲気に包まれた阿下喜のまちなかをゆっくり散策しながらお楽しむことができます。
5月5日に豊作豊漁を祈願して行われる猿田彦神社の御田祭は、桃山時代の風俗衣裳を身につけた男女が田楽の囃子にのって苗を植えていきます。植えたあとは大団扇を打ち合わせる「団扇角力(うちわずもう)」や「ハエーヤハエ」の掛声とともに「豊年踊」が、そして「団扇破り」が行われます。
神御衣祭は伊勢神宮で天照大御神(あまてらすおおみかみ)に絹(和妙(にぎたえ))と麻(あさ)(荒妙(あらたえ))を奉る祭典で、皇大神宮(内宮(ないくう))と荒祭宮(あらまつりのみや)に限って行われます。皇大神宮鎮座のとき、五十鈴(いすず)川のほとりに宇治機殿(うじのはたどの)を建て、天棚機姫神(あめのたなばたひめのかみ)の孫、八千々姫命(やちちひめのみこと)をして天上の儀式に倣い和妙を織らしめたという古伝承に基づきます。
6月 もう一つ知られている御田植祭として伊雑宮の御田植祭があります。神田で実際の田植えが行われるが、その中に竹奪いの神事があり、サシバ(団扇)をつけた忌竹を漁師の人びとが競い合って倒します。この竹を漁船に飾ると豊漁になるといわれ、それぞれ持ち帰る。豊作を祈って行う御田植に豊漁の祭りが習合しているのが珍しい祭りです。
旧暦6月 780年余の伝統を誇る志摩町の潮かけ祭りは正式名は大島祭です。海女や漁師がその日の獲物をお供えして、海の安全と大漁を祈願する。神事の後は、禊として海水を掛け合ったり、男女が好きな人を海に投げ入れたりするなどの、天下ご免の荒っぽい潮かけが行われます。夜には打ち上げ花火があります。
7月終わりの陽夫多神社祇園祭と願之山行事は、花笠にさした紙花や団扇をを奪い合う花揚げと、高さ約35メートルの大のぼり7本が立てられた境内では、子供たちが踊る小踊りと青年が踊る大踊りを交互に踊る願之山踊りがあります。願之山踊りは、本来は願解の踊りで、かっては願の数だけ踊ったといわれています。
9月 秋の志摩市大王町波切のわらじ祭りは長さ2メートル余りで幅は1メートル余り、重さ62キログラムもある「わらじ」を曳き、これを海岸に降ろして海に流すという奇祭で、志摩地方に伝わる巨人伝説とつながりがあるとみられています。
志摩には淡路系の人形芝居が残っているが、安乗文楽人形芝居は安乗神社の祭礼に奉納される三人人形芝居で、喜怒哀楽の表現に素朴で味わいがあるのが特徴で、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
10月 かんこ踊りの「かんこ」とは「羯鼓」が転訛したとされ、胸に「かんこ」と呼ばれる締め太鼓を下げ、両手のバチで打ち鳴らしながら踊る民俗芸能で、かぶりものや背にかつぐものが大型で華やかな芸能です。伊勢を中心に伝承された念仏踊りの系統と伊賀を中心に伝承された雨乞踊りの系統があります。
伊賀上野市の上野天神祭は楼車(だんじり)と鬼行列で知られる。9台の楼車がお囃子を奏でて巡行し、供奉面と呼ぶ能狂言面をかぶった100人余りもの鬼行列が、神輿の渡御に供奉してその露払いの役割する伊賀地方の代表的な秋祭りです。
師走に行われる桑名市増田神社の伊勢大神楽では、各家元が協力して大神楽全曲を奉納することになっています。神事舞の荘厳な獅子舞と、放下芸(大道芸のひとつ)の楽しい曲芸の組み合わせが珍しく観客を楽しませます。



三重県の花はハナショウブ
三重県の鳥はシロチドリ
三重県の木は神宮スギ